kintoneでシステム開発する際の費用相場は?外注する際のポイントもご紹介!

公開日:2024/06/19 最終更新日:2024/12/18
kintoneでシステム開発する際の費用相場は?外注する際のポイントもご紹介!

初心者でも簡単にアプリやシステム開発ができるクラウドサービス「kintone」をご存知ですか?kintoneは、目的に応じて必要なアプリを連携するだけでよいので、無駄なコストがかからず、幅広い業種に対応できます。また、自社に合わせて自由にカスタマイズできるのも大きなメリットでしょう。

そんなkintoneについて、気になる費用相場や外注の際のポイントについて情報をまとめてみました。今後導入を検討している方は、ぜひ参加してください。

システム開発にかかる費用相場はどれくらい?

kintoneの費用相場は、開発する規模によって変わってきます。ここでは、小規模から月月額定額制まで、それぞれにかかる費用について解説します。

小規模の場合

小規模によるシステム開発は、規模が小さいため、数万円~10万円ほどとほかに比べると費用はそれほど高くありません。その代わり、使用できる機能が限られてきます。とくにカスタマイズして使用する場合、相応の費用が必要になるでしょう。

もちろん「最低限の機能で開発できればよい」という企業は、小規模でも問題なく使用できます。たとえば、案件一覧表でステータスごとに色をカスタマイズ開発したい場合や、ほかのアプリデータを取得し反映したい場合などが挙げられます。

それぞれ3万円~開発できるので、従来のシステム開発のように費用がかさむ心配がありません。自社に合わせて必要な部分だけ開発することも可能でしょう。

新しいアプリを作りたい場合

JavaScriptや拡張機能など、新たにアプリケーションを作りたい場合は、100万円以上と費用相場がぐんと高くなります。とくにアプリケーションの作成は、膨大な費用が必要になるため、500万円以上かかるケースも少なくありません。

他社に開発を委託することもできますが、そうなるとより費用が値上がりします。

たとえ見積りではリーズナブルに感じても、カスタマイズで高額になる可能性は十分考えられるでしょう。JavaScriptの活用やアプリを作成する場合、事前に追加料金を確認しておくと安心です。

各種ツールと連携させる場合

外部ツールと連携させて請求情報やGoogleマップの地図情報を反映させることもできます。業務やオフィス運営で必要なツールと連携させられるので、無駄を省き業務の効率化につながります。

ただし、費用相場は、使用する外部ツールによって異なります。Googleやコミュニケーションツール(LINE・ChatWork・Slackなど)と連携すると費用相場は5~10万円ですが、会計ソフトは10万円~と高くなります

使用する会計ソフトによって大きく変わってくるため、できるだけコスパを抑えたい方は低価格で連携できるツールを選ぶとよいでしょう。

ちなみに、よく使われている会計ソフトは、勘定奉行やfreeeなどが挙げられます。これらのツールをkintoneと連携することで、売上内容が自動反映され、請求情報や入金上などがすぐに確認できるようになります。

月額定額制

上記の方法以外にも、月額定額制でカスタマイズしてくれるシステム開発会社も存在します。費用相場は会社によって異なりますが、導入後のサポートが受けられるところもあるので、初心者でも安心してお任せできます。

とくにkintone開発に優れているところであれば、標準機能を定額~40万円ほどでカスタマイズしてくれるケースもあり、小規模開発並みにリーズナブルな価格で利用できるでしょう

ただし、システム開発会社を選ぶ際は、運用まで視野に入れる必要があります。費用相場のみで選んでしまうと失敗するので注意してください。

契約形態ではじめやすい

システム開発とは別に、kintoneを利用するにあたり月額費用が発生します。コースは3つから選択でき、もっとも費用が安いのが「ライトコース(月額780円/1ユーザー)」です。契約できるユーザー数は5ユーザー、アプリ数は~200個まで利用できます。

より多くのアプリを使用したい方は、スタンダードコースやワイドコースがおすすめです。ワイドコースに関しては最小契約ユーザー数も1,000ユーザーと多くなるので、大企業に最適でしょう。もちろん、初期費用は発生しません。

外注する際に知っておきたいポイント

kintoneは、外注でシステム開発することも可能です。とくに専門知識が問われる場合や難易度の高いアプリ・システムを開発する場合は、外注が非常に役に立ちます。

しかし、外注するにはいくつかの注意点があります。ここでは、知っておきたいポイントについて紹介します。

相見積りを出す

相見積りとは、同じサービス・商品の見積りを複数の企業から取ることで条件や価格の比較が一度にできることをいいます。費用のおおまかな相場が知れるので、極端に高い企業や安すぎる企業の価格差が明確になり、適正な発注が実現できます。

ひと口にシステム開発会社といってもさまざまなため、外注する場合はしっかり相見積りを出しておきましょう

搭載したい機能を明確にする

搭載したい機能を明確にすることで、修正が発生する頻度を軽減できます。システム開発は工程が多いほど費用が高くなるため、内容が曖昧だとデメリットになってしまいます。

時間や金銭的なコストを抑えるには、業務で必要な機能を明確にし、どのようなカスタマイズにしたいのかをきちんと考えておく必要があります。

kintoneでは「統一したフォーマットでデータ管理をおこないたい」「データを一覧表示し、集計してグラフ化したい」「指示やアドバイスなどのコミュニケーションツールを活用したい」などが可能です。

自社の開発・カスタマイズと照らし合わせながら、検討してみてください。

ほかにも、便利な機能として、モバイル対応・リマインド通知・全文検索・多言語対応などもあります

導入実績のある企業を利用する

導入実績の有無も、外注する際はとても重要になります。とくに本格的な開発・カスタマイズは、専門知識が必要不可欠です。困ったときにスムーズに対応してくれるシステム担当者がいないと、膨大な時間を要することになってしまいます。

また確実性も下がってしまうため、kintoneで開発する際はかならず導入実績のある企業を選びましょう。導入実績がある企業なら、自社のニーズにしっかり対応してくれるので安心してお任せできます。

ちなみに、kintoneを外注することで得られるメリットもいくつかあります。なかでも「成功事例をもとにした開発」や「細かいテンプレートを用意してもらえる」のは、外注のよい点でしょう。自社の担当者が業務に注力しやすくなるのも大きなメリットです。

マッチングサービスの導入

自社と相性のよい開発会社を探すなら、マッチングサービスの活用もおすすめです。マッチングサービスでは、人材募集や取引先開拓などで用いられることが多く、ビジネス分野において最適なマッチングをおこなうのに非常に適しています。

近年、結婚・恋愛のマッチングサービスが増えていますが、ビジネスでも大きなメリットになります

kintoneで外注する場合「どの外注先に依頼したらよいか迷っている」「外注先が見つからない」といった悩みを抱えている方にとくにおすすめです。

担当者の対応力とアフターサポート

担当者の対応も、外注をする際にチェックしておきたいポイントです。どんなに魅力的な開発会社でも、担当者ときちんとコミュニケーションがとれなかったり、自社の希望にそぐわなかったりすると、スムーズな開発・カスタマイズが実現できません。

また、お互いの認識がずれたまま進めてしまうと、意図と異なるシステムが納品される心配も懸念されます。

そういったマイナス点を避けるためにも、担当者の対応力はとても重要になります。やり取りをする際は「要望を的確に理解してくれる」「説明がわかりやすくていねい」など、しっかり確認しておきましょう

開発まではスムーズでも、きちんと運用できなければ満足のいくシステムは完成しません。そこで、アフターサポートの有無も確認しておきたい点のひとつです。追加費用の体系や変更・修正の対応期間など、細かく確認しておくと安心してお任せできるでしょう。

アプリ開発を外注する場合の流れと費用目安

kintoneを使ったアプリ開発は、一般的には以下の流れになります。それぞれの1~5のステップで注意したいポイントを解説します。

1. 要件定義

まず、外注先と一緒にアプリの機能や構成を定義します。この段階では、自社の業務フローを整理し、それをアプリ上でどう実現するかを話し合います。

業務フローの洗い出しはどの会社も一定水準で実施できると思いますが、「どこに課題があるかの見極め」は外注先の会社によって力量が異なります。外注先の選定の際には、導入事例から課題抽出の力量を見てみると失敗する可能性を減らせます。以下は要件定義の一例となります。

フォーム設計

データ入力の項目や画面構成を決めます。たとえば、顧客情報を入力する場合、名前や連絡先、担当者情報や対応履歴など、どの情報を必須項目にするかを考えます。

プロセス設計

業務フローを可視化し、それをkintoneのワークフロー機能に落とし込む方法を設計します。フローの遂行にあたって、どなたかの承認が必要な場合、誰がどの段階で承認するかを明確にします。

外部システム連携

他のシステム(会計ソフトやCRMなど)とデータ連携する場合、どのような方法で連携すると使いやすいかを決めます。要件が曖昧なまま進むと、使い始めた際に従業員が使いづらさを感じて使わなくなったり、使うことが億劫になり業務に遅れが出ます。

そのため要件定義のフェーズでは時間をかけて議論することが重要です。

2. プロトタイプ作成

要件定義をもとに、アプリのプロトタイプを作成します。このプロトタイプは、簡易的な操作性やデザインを確認するためのもので、修正を繰り返しながら完成形を目指します。webサイトに例えると、いわゆるテストページです。

目的

完成前に操作性を確認し、早い段階で課題を発見すること。

確認ポイント

入力画面の操作感やレイアウト、通知機能のタイミングなど。

フィードバック

実際の運用担当者にテストしてもらい、どの部分が使いづらいか、どの機能が足りないかを洗い出します。

プロトタイプの段階で十分な確認を行うことで、本開発後の修正コストを大幅に削減できます。また、実際の運用担当にチェックしてもらうことで、kintone導入によってどのくらいの改善が見込めるかがより明確になります。

3. 本開発

プロトタイプをベースに、完成版のアプリを開発します。この段階では、機能の詳細設計や高度なカスタマイズが加えられます。

高度な設定

JavaScriptやプラグインを活用したカスタマイズ(例: 自動計算機能や条件による画面遷移)。

外部連携の実装

WebhookやAPIを活用して他のシステムとリアルタイムでデータをやり取りできるようにします。たとえば、Googleカレンダーとの連携やチャットツールへの通知機能。

デザイン調整

担当者が見やすく操作しやすい画面レイアウトを作成。色やフォントの統一感、モバイル対応などが含まれます。

4. テスト

アプリの完成後は、動作確認を徹底的に行い、不具合や想定外の動作を見逃さないことが重要です。

動作確認

各機能が正常に動作しているか、要件通りに作られているかをチェックします。

負荷テスト

同時に複数ユーザーが使用した場合の挙動や、大量データを処理した際のパフォーマンスを確認。

改善フィードバック

テストで見つかった不具合や改善点を外注先に伝え、修正してもらいます。

5. 納品と運用開始

最終確認を終えたアプリが納品されます。納品後には、運用に必要なサポートも依頼するのが一般的です。

操作説明

管理者や利用者向けに、アプリの使い方を説明。マニュアルが提供される場合もあります。

トライアル期間

運用開始後の一定期間はサポートを受けられる契約にしておくと安心です。

追加修正

運用開始後に発生した新たな要望にも柔軟に対応してもらえる体制を確認しておきましょう。

5. 費用の目安

kintoneを使ったアプリ開発の費用は、アプリの規模やカスタマイズの内容によって大きく変わります。以下は目安の範囲です。

シンプルなアプリ: 50万円〜100万円
例: 簡単なデータ入力フォームや業務の進捗管理機能を持つアプリ。

中規模アプリ: 100万円〜500万円
例: 外部システムとの連携やカスタム通知機能が必要なアプリ。

大規模アプリ: 500万円〜1000万円
例: 複数の業務フローを統合し、JavaScriptやAPIで高度にカスタマイズされたアプリ。

開発規模によって異なる点はシステム開発やサイト制作と同じです。具体的な費用は、見積もり時にしっかり確認しましょう。

カスタマイズして開発するメリット

kintoneを使った開発・カスタマイズには、たくさんのメリットがあります。ここでは、今後kintoneを導入する方のために、とくにうれしいメリットを紹介します。

実用性の高いシステムに近づける

カスタマイズすることで活用の幅が広がるので、実用性の高いシステムに近づけられます。たとえば、基幹システムやExcelのデータを反映させた場合、確認の手間が省け生産性がアップします。

kintoneの公式ホームページにも記載されていますが、Excelとの相性は非常によく、読み込むだけで複数人が編集・共有・管理が可能になります

そのため、Excel特有の「開くのに時間がかかる」「集計作業に追われる」「最新版がわかりくい」といった状況も、短時間で作業が完了します。

実際、Excelの管理でkintoneを利用している企業は少なくありません。資生堂や西武ライオンズ、アルコといった大手企業もkintoneによって作業の効率化を図っています。

また、カスタマイズすることで標準装備にはない機能を実装することも可能です。自社に合わせて自由に変えられるので、使い勝手の向上にもつながるでしょう。

コストダウンにつながる

kintoneは、直感的な操作で開発・カスタマイズできるので、作業の簡略化やコストダウンにつながります。さらに、業務内容の変化に応じて簡単にアプリ・システムの変更ができるのも魅力的です。

なぜここまで低コストでカスタマイズできるのかというと、複雑な操作が不要だからです。複数のアプリをひとつのツール内で使用できるので、わざわざ他社に依頼することなく、初期費用も抑えられるのでしょう。

自社の業務に合わせてカスタマイズ

自社に最適なアプリやシステム開発ができるのも、kintoneの大きなメリットです。一般的に、既存のクラウドツールに搭載されている機能は固定化されているため、自社と相性が悪い場合があります。また、カスタマイズするには多額の費用が発生します。

kintoneなら自社の業務に合わせて自由にカスタマイズできるので、無駄なコストがかかりません。必要な機能を必要なだけ導入でき、想定外の費用が発生する心配もないでしょう。

すべて自社で解決するため、追加費用が発生することなくシチュエーションに合わせて修正・改善できます。

kintoneでできるカスタマイズはさまざまです。JavaScriptを使えば、フィールドの編集可/不可の切り替えや自動入力、表示/非表示の切り替えが画面上で簡単におこなえますし、関連レコードのカテゴリ別集計・レコードの自動採番・自動ルックアップも容易になります。

ほかのアプリと連携できる

もちろん、ほかのアプリとの連携も可能です。会計ソフトやコミュニケーションツールと連携できることは少し前に説明済みですが、これらの操作を画面上で自由におこなえるのが大きなメリットになります。

たとえばfreee(会計ソフト)と連携すると、取引先の売上や仕入れの管理ができ、取引毎に推移を見ることも可能です

また取引先を一覧で確認・検索できるので、手間も省けます。会計ソフトは勘定奉行も連携できますが、freeeとは必要なものが異なるので事前に確認してから連携してください。

ほかにも、X(Twitter)やTo Doリスト、宅配便APIとの連携にも対応しており、必要なシステム・アプリを導入することで業務の効率化が図れるようになります。

システム開発をおこなう方法

これまでkintoneの費用相場や外注する際のポイントなどを紹介してきましたが、ここではシステム開発する方法について紹介します。

まず、kintoneは主に3つのパターンにわけて使用できます。ひとつひとつ特徴を見てみましょう。

各種プラグイン

拡張機能サービスは、200種類以上存在します。そのため、他社に比べると手軽に活用でき、初心者でも開発・カスタマイズしやすいのが特徴です

たとえば帳票出力機能なら、登録した各種データを帳票として一括出力できます。ワンクリックで大量に出力できるので、わざわざ操作を覚える必要もなく、月次の請求書発行も容易になります。

さらに、複数枚の帳票もワンクリックで出力でき、関連アプリから一枚の帳票を作成することも可能です。出力枚数や帳票レイアウト、アプリ数に無制限がないのもうれしいポイントでしょう。

このように、各種プラグインを使用してスムーズな開発が実現できます。

JavaScript

JavaScriptとは、プログラミング言語の一種です。主にシステムやWebサイトの開発で用いられており、kintoneに導入することで標準機能がさらに便利な機能へと進化します。

ただし、プログラミングの知識・技術が必要になるため、初心者でJavaScriptを使用するのは難易度が高くなります。場合によってはエラーになるケースもあるので、開発の際は注意が必要です。

JavaScriptに強い方は、以下の3つを取得・確認することですぐにはじめられます。

1つ目は、開発ライセンスです。kintoneでライセンスを取得している方はそのまま利用できますが、未取得の方はライセンスに申込む必要があります。

2つ目は、推奨ブラウザの確認です。Windows・macOS以外にも、iOSやAndroidでも使用できますが、それぞれ最新版でなければいけません。

3つ目は、テキストエディターです。普段使いなれているツールでも問題なく使用できます。

外部サービス

最後は、外部サービスとの連携です。会計ソフトやコミュニケーションツールなど、さまざまな外部サービスと連携できることはすでにご存知だと思いますが、AmazonやLINE WORKSなどの外部サービスとも連携が可能になります

連携するメリットは、相互データを反映することでゼロから開発する手間が省ける点です。

たとえばAmazonなら「Amazon Echo」を使ってスマートに予定管理ができるようになります。Amazon Echoはスマートスピーカーのひとつですが、連携することでわざわざkintoneにアクセスしなくてもAlexaスキルから音声操作で1日のスケジュールが把握・追加できます。

LINE WORKSは、ビジネス版のLINEです。設定が多いのが難点ですが、トーク発言者・トーク内容・作成日時を登録しておくと、データベースとして利用できるようになります。チャットBotのような連携も可能になるでしょう。

以上の3つが、kintoneでシステム開発をする方法になります。ぜひ、自社に適した方法を試してみてください。

まとめ

kintoneでシステム開発する際にかかる費用や、外注サービスを利用するポイントについて紹介しました。kintoneはツール内で複数のシステムを利用できるので、わざわざ他社に依頼する必要がなく、わずらわしい操作が要りません。

また、コストパフォーマンスが高いのも大きなメリットでしょう。開発の規模によって発生する費用は異なりますが、月額費用のみで導入できるため、初期費用は必要ありません。このように、手軽に導入できることでリスクが低く、安全性が高いのも人気の理由でしょう。

システム開発を検討している方は、ぜひkintoneを導入してみてください。

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